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【ブログ】読了

先日、「ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー」を読了しました。
皆さんご存知かもしれませんが、本屋大賞2019ノンフィクション本大賞を受賞している書籍です。本屋さんでも黄色いカバーが目立っていて気にはなっていたのですが、遅まきながら購入しました(購入先はブックオフオンラインです笑)。
作者は「ブレイディみかこ」さん、出版は新潮社、2019年6月21日刊行、定価1350円+税です。
作者の「ブレイディみかこ」さんは昭和40年福岡生まれ、県立修猷館高校卒。
英国で保育士資格を取得して、ライター活動をされているそうです。詳しくはググってください。

この本の主人公「ぼく」は作者の一人息子で、「The Real British SecondarySchool Days」と副題にあるように、彼が通う英国にある「元底辺中学校」で起きる出来事や事件等を綴ったエッセイになっています。
まず、「ぼく」が入学する中学校(公立)を選択する時のことですが、英国では公立でも保護者が子どもを通わせる小・中学校を選ぶことができることには驚きました。英国教育水準局(Ofsted)という学校監査機関が様々な情報を基に学校をランキング付けしており、作成された学校ランキングは大手メディアのサイトで公開されているということでした。そのランキングが学校選びの指針となっており、希望する学校周辺に引っ越しをするということも英国では当たり前で、私は自分が住んでいる地域の中学校に行くことが当然と思っていたのでそのよう
な状況にびっくりしました。

それから、学校には様々な生徒が通っており、貧富の格差、階級の格差等のため色々な主義主張があり、それが原因で様々な出来事(人種差別やいじめ等)が起こるのですが、「ぼく」も友達と衝突したり、壁にぶち当たったりしながら、色々なことに悩みつつ自分たちなりの解決方法を見つけて、思春期真っ只中の中学校生活を送っていることが赤裸々に描かれていました。自分が中学生の頃(もう38年も前になりますが)に、そんなことで悩んでいたかなと思う程、なかなかレベルの高い悩み事が多いなと感じましたが、その解決方法は現代の若者らしいなとも思いました。日本の中にいるとそんなに感じることはないのですが、外の世界に出ると様々な格差があり、それが日常茶飯事であらゆる場面に影響を及ぼすのが当たり前なのかなとも考えさせられました。

また、この本の宣伝文句にある「大人の凝り固まった常識を、子どもは子どもなりのやり方で軽く飛び越えていく。」という言葉ですが、非常に共感できました。
子どもの頃に誰もが持っていたしなやかな心持が、大人になるにつれ、外からの刺激にさらされだんだんと硬質化していくことは、実際自分でも感じていました。
それは一種の自己防衛反応かもしれないですが、できるだけ柔軟な心持を持って事に当たることを心がけたいと感じました。話が脱線しました。すみません。

まだまだ、色々な内容が書かれていましたが、みなさんに是非手に取って読んで頂きたいと思います。日頃考えてもみなかったことを考えるきっかけになるかもしれません。私のお勧めの一冊です。
2020.03.07 J.K




 
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